介護業界での非正規労働者の割合は高いといわれています。訪問介護職員は正社員が2割弱なのに対し、非正規労働者の割合は約8割に上ります。介護施設において正職員の割合は5割を超えていますが、それでも非正規労働者が4割を占めているのは高い割合といえます。
非正規労働者は勤務時間に融通が利く点がメリットですが、やはり収入面の不安定さは気になるところです。また企業側にとっても、非正規職員が多いと離職率が高くなるデメリットが起こります。実際に非正規労働者の約2割の人が1年間で離職していて、その離職理由の中には正社員になれないことや正社員との待遇の違いも挙げられています。
そんな非正規労働者にこそ利用してもらいたいのが、事業所にある正社員登用制度です。はじめは育児や家事、介護との両立を考慮してパートやアルバイトで始めた方も、「育児が落ち着いてきて今度は教育費が必要となったため正社員として働きたい」「やっぱりもう少し待遇がいい条件で働きたい」「仕事が楽しくなってきたのでキャリアアップしていきたい」など、様々な理由から正社員への転換を目指す方も少なくありません。
実は、介護士は正社員へ転換しやすい職業でもあります。慢性的な人手不足が問題となっている介護業界では、離職予防や定着促進のため約5割の施設が正社員への登用を進めています。これは他の業種よりも高い割合といえます。
正社員登用制度は、基準を超えた非正規職員が試験や面接に合格すると正社員へ転換される制度です。これを用いて正社員になる割合が、介護業界を含む医療福祉業界では高くなっています。